お役立ち
コラム

11

樹木葬とは?メリットやデメリット、迷った場合の注意点を紹介

木々や花々の下で自然に還れる樹木葬は、近年注目を集めています。本記事では樹木葬のメリットやデメリット、選ぶ際の注意点などを解説します。

樹木葬とは?

樹木葬とは、桜やハナミズキなどの樹木や、ヤマツツジやエゾアジサイなどの草木を墓標とするお墓を指します。木や花の根本に骨壺ごと埋葬したり、遺骨を取り出して直接土に埋めたりします。

遺骨は土に還る?

樹木葬で埋葬した遺骨が土に還るか還らないかは、遺骨の収蔵方法によって異なります。通常のお墓と同様に、骨壺をカロート(納骨棺)に入れる場合は、遺骨は土には還りません。一方で、お骨を粉砕して直接土に埋めたり、土に還りやすい紙や和紙などの骨壺に収めたりした場合は、遺骨は土に還ります。

樹木葬とほかのお墓の違い

樹木葬のほかにも、似た埋葬方法や供養の方法があります。ここでは、樹木葬とほかのお墓との違いを解説します。

永代供養との違い

永代供養は供養方法、樹木葬はその前段階の埋葬方法を指します。永代供養とは、遺族に代わって寺院や霊園が遺骨の管理や供養を行うことです。草木を墓標にする樹木葬のほかにも、納骨堂や海洋散骨などが含まれます。

納骨堂との違い

納骨堂は樹木葬と同じく埋葬方法のひとつでもあり、埋葬場所を指す言葉でもあります。納骨堂とは遺骨を収蔵できる建物で、内部には多数の納骨スペースを備えています。個人や夫婦単位で利用でき、ロッカー式、仏壇式、機械式などタイプもさまざまです。

合祀墓との違い

合祀墓とは埋葬単位のひとつで、樹木葬などの埋葬方法の中でさらに細分化されたものです。合祀墓では遺骨を骨壺から取り出し、血縁などは関係なく、ほかの複数の方と一緒にひとつのお墓に納めます。安価なことや、ほかの方が一緒のため寂しくないことから選ばれます。

樹木葬の3つの種類

ひとくちに樹木葬といっても、埋葬場所や雰囲気には種類があります。以下では、樹木葬の3つの種類を解説します。

庭園型

庭園型は、花壇のような場所に遺骨を埋葬する方法です。明るくおしゃれな外観で都心にも建てられていますが、敷地内が狭く値段も高いことがあります。

公園型

公園型では、シンボルツリーや花壇の下に遺骨を埋葬します。都市部にありアクセスもよく、区画整備された公園のような雰囲気です。遺骨は、一定期間は骨壺で管理され、その後合祀されます。

里山型

里山型では、人の手が入っていないそのままの自然環境に遺骨を埋葬します。アクセスの悪い場所が多いですが、自然に還るスタイルにはもっとも近い方法です。

樹木葬の埋葬方法

樹木葬には、埋葬方法にも種類があります。3種類の埋葬方法を理解して、より希望に近い樹木葬を選びましょう。

個別区画型

個別区画型は埋葬場所ごとにスペースを区切り、それぞれにシンボルツリーを植える埋葬方法です。個人や夫婦ごとに利用できますが、一定期間が過ぎると合祀される場合があります。

集合型

集合型は、埋葬区画は個別に区切られていますが、シンボルツリーは共有している埋葬方法です。個別区画型よりも費用は安価ですが、こちらも一定期間が過ぎると合祀されることが多いです。

合祀型

合祀型では、血縁関係などがないほかの方と一緒に遺骨が埋葬されます。遺骨をそのまま土に埋めるため、あとからは取り出せませんが、もっとも自然に還りやすい方法です。

樹木葬のメリット

樹木葬は金銭面や管理の面で、墓石を建てる一般的なお墓とは異なるメリットがあります。以下では、樹木葬のメリットを4つ紹介します。

一般的なお墓より費用を抑えられる

樹木葬の大きなメリットには、一般的な墓石のお墓と比べて安価であることが挙げられます。一般のお墓の場合は契約だけでも100万円から350万円程度かかり、さらに維持費として年間で5,000円から1万円かかります。一方、樹木葬でかかる費用は20万円から80万円程度と、一般のお墓と比べて圧倒的に費用を抑えられます。

お墓の維持管理が不要

樹木葬は、細かいお墓の維持や管理が必要ないこともメリットです。樹木葬は最終的に合祀される場合が多く、その維持管理は霊園や寺院による永代供養が主流です。子どもがいない方や、いるけれど苦労をかけたくない方にとって樹木葬はおすすめです。

自然に囲まれた場所へ埋葬できる

樹木葬のメリットには、草木などの自然に囲まれた場所へ埋葬できる点もあります。樹木葬では桜やハナミズキなどの樹木を墓標にしたり、草花が配置された庭園に埋葬されたりします。墓石や骨壺などの人工的なものを使わずにお墓が建てられるため、自然の中で穏やかに眠れます。

宗教・宗旨・宗派を問わないケースが多い

樹木葬の4つめのメリットには、信仰を問わずにお墓を建てられることが挙げられます。樹木葬では、宗教や宗旨や宗派などを問わないケースが多いです。そのため、仏教に限らずキリスト教やそのほかの宗教を信仰している方や、反対にいずれの宗教も信仰していない無宗教の方でも利用できます。

樹木葬のデメリット

樹木葬は費用や管理の手間は少ないですが、それでもいくつかデメリットが存在します。以下では、樹木葬のデメリットを3つ解説します。

代々お墓の継承はできない

樹木葬のデメリットには、先祖から代々続くお墓を継承できないことがあります。樹木葬はお寺や霊園が管理する永代供養が主流で、お墓の種類も個人墓か合葬墓のどちらかがメインです。個人墓の場合、夫婦や家族などで1つのシンボルツリーを墓標にすることは可能ですが、子孫も一緒のお墓に入ることは難しいです。

粉骨の場合など遺骨が取り出せないケースがある

樹木葬のデメリットとして、粉骨が条件になっていることや、遺骨の取り出しや移動が困難な場合もあります。とくに都内ではスペースの関係上、遺骨の粉砕が条件になっている霊園が多いです。遺骨を粉砕して埋葬する場合は、その後に取り出したり移動したりすることはできないため、注意が必要です。

種類によってはアクセスが悪い

樹木葬の3つめのデメリットには、自宅から埋葬地までのアクセスが悪いことも挙げられます。自然回帰をコンセプトにしている樹木葬は、緑が多い場所に開設される傾向が強いです。都市部から離れた場所は景観がよいですが、アクセスの手段も限られます。お墓参りのために、自宅からの交通手段も考慮して寺院や霊園を選びましょう。

樹木葬を選択する際の注意点

埋葬方法として樹木葬を選ぶ場合には、知っておくべき注意点があります。以下のポイントをしっかりと確認し、後悔しない樹木葬選びをしましょう。

一定期間を過ぎると合祀されるケースもある

樹木葬を選ぶ際の1つめの注意点は、個別区画型や集合型の場合でも、一定期間を過ぎると合祀されるケースがあることです。個別区画型や集合型の場合でも、7回忌や13回忌や33回忌などの一定期間を過ぎると合祀される場合があります。
合祀されるのかどうか、また何回忌後に合祀されるのか、契約する際は内容をしっかり確認しましょう。

家族や親族の理解を得る必要がある

樹木葬を選ぶ際の2つめの注意点は、家族や親族に理解してもらう必要があることです。樹木葬は通常のお墓とは埋葬方法や管理方法が異なるため、家族や親族の理解がいなとトラブルに発展する場合があります。お墓に関する考え方は親しい人であっても異なるため、しっかりと話し合って決めましょう。

樹木葬の申し込みから埋葬までの流れ

  1. 1.樹木葬を行う霊園や寺院の決定
  2. 2.墓地使用許可証の受取
  3. 3.死亡届の提出と日程調整
  4. 4.火葬、埋葬許可証の受取、納骨式と埋葬

 

樹木葬を行う際は、霊園の情報収集や見学を行ってから契約に進み、その後は墓地使用許可証を受け取ります。契約者が亡くなった後は死亡届を提出して納骨式の日程などを打ち合わせ、火葬、埋葬許可証の受け取り、納骨式と埋葬を行います。

まとめ

樹木葬のメリットには、通常のお墓よりも安価で維持管理も簡単なことや、宗教を問わずに自然の中で眠れることなどがあります。一方で粉骨しなければならなかったり、最終的に合祀されたりすることもあります。樹木葬の要点を押さえて、後悔しない埋葬方法を選びましょう。

 

※コンテンツの内容は一般的なもので、不動院の樹木葬・永代供養墓とは異なる部分もあります。詳しくはホームページでご確認ください。